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> No.56[元記事へ]
ぴちょんくんさんへのお返事です。
> 不飲酒戒の所の「不コ(酉+古)酒戒だから・・・」とはどういう意味ですか?投稿してからずっと考えていましたがやはり分りませんでした。
ずっと考えていたって・・・・・2ヶ月も・・・・・。
すごい根気ですよね?
ところで、こういったことは「考えて」もわからないでしょう。
調べなければ。
漢和辞典で「酤」という字を調べてみてください。
すると、「酒を売る」とか「酒を買う」という意味であることがわかります。
戒律には様々なものがありますが、真言宗常用経典に記載されていて夕勤などで読誦するものに「梵網経」があります。
ですから我々にとって、このお経に説かれる戒律は、二百五十戒よりも馴染み深いものです。
そこには十重禁戒という10の重い罪が出てきます。
その中に不飲酒戒はなく、かわりに「不酤酒」が出てきます。
つまり、酒の売買を禁止しているのです。
(だから、もらった酒ならいいとか、言い訳をするんですな、隆蓮房は)
実は、酒というのは飲むこと自体にそんなに罪があるわけではないんです。
しかし、酒に酔ったことによって判断力を失って様々な罪が引き起こされるわけです。
たとえば、五戒ですが、他の4つが重い罪だというのは誰でも納得がいくと思うんです。
じゃあ、何故同じレベルの重さの罪に「不飲酒戒」が相当するのか?
或る男が酒を飲んで酔っ払った。
そして、隣の家の鶏を盗んで(不盗偸戒)殺し(不殺生戒)食べようとしたところを隣の奥さんに見つかって言い訳をした。
「これはお宅の鶏じゃありません」(不妄語戒)。
けど、奥さんは騙されずに怒ったので、男は逆ギレして彼女を犯した(不邪婬戒)。
このように、不飲酒戒の破戒は、他の4つも破ってしまう原因になったんです。
そこで、飲酒の原因を断とうというのが酒の売買を禁じる不酤酒戒というわけです。
(ですから「不飲酒戒でなく不酤酒戒ですから」というのは屁理屈に過ぎないのですが)
要するに、不飲酒戒と他の4つの戒は性質が違うんですね。
某所で梵網経の肉食戒(経文では食肉戒)と不殺生戒の関係で荒れているんですけど、これを考えれば分かるんじゃないかと。
肉食と殺生ではどちらが重いか、というよりは、殺生が肉食の原因となっているんですよ。
殺生(というか屠殺や狩猟)がなければ肉食はしないわけで(どうしても食べたきゃ自然死の死体を食べるしかない)。
不殺生戒があることで、度を越した(嗜好としての)肉食の原因はほぼ断たれるわけです。
不飲酒戒よりも不酤酒戒の方が重たい。
不肉食戒よりも不殺生戒の方が重たい。
勿論、不殺生戒には肉食以外にも色々な範囲にわたって関連しています。
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