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3月19日アップしました

 投稿者:事務局長  投稿日:2011年 3月19日(土)22時37分4秒
   これまで、毎週1回、更新をしてまいりましたが、各種災害の今後の予断を許さぬ状況を鑑み、不定期更新となることをお詫び申し上げます。

 どうぞ、よろしくお願い申し上げます。










 

(866)小倉尚継 論述集 その37

 投稿者:事務局長  投稿日:2011年 3月19日(土)22時33分47秒
   【自己表現を育てる合唱指導 その11】

  ◆その② 表現力を育てる

  ●語録集の活用

 団員が練習している時、フレーズとフレーズのほんの短い間に、指揮者は効果的な言葉を発して団員の表現力を高めることができる。

 その語録集とは次のものです。

(1)発声に関するもの

 額から吸う、匂いをかぐように、背筋に息を、メガホンを作れ、バケツをかぶれ、煙突立てろ、卵をくわえろ、洞窟作れ、音を縦に、音を釣れ、オはO型、頬を上げて、目を開けろ、体を鳴らせ、空気を鳴らせ、吠えるな、かぶせろ、魅力を出せ、色っぽく、みずみずしく、輝いて、つやを出せ、雑音をとれ、基本はハミング、体重をかけろ、まっすぐな声、安定させろ、もっと遠くへ


(2)歌い方に関するもの

 俳句を読むな、流せ、時間いっぱい、はじき歌いだ、弓の矢をうて、気持ちを顔に、いつも新鮮に、休符で蓄積、新しい出発、向かって行け、頂点を極めろ、燃えろ、その音を成長させ、その音にエネルギー、納めて、和音を聴け、和音に埋まって、思いやりを、吐き出し唱歌、しーんと静まれ、弱音に勢いを、音を走らせて、水かき唱法だ。清潔な声。


 いかがでしょうか。

 なんだかわからないものもあるでしょうが、きっと思い当たる言葉が多いと思います。

 これは私一人が集めたものではなく、本誌からも沢山いただいております。



 (つづく)
 

(865)小倉尚継 論述集 その36

 投稿者:事務局長  投稿日:2011年 3月12日(土)19時29分59秒
編集済
   【自己表現を育てる合唱指導 その10】

  ◆その② 表現力を育てる

  ●意欲を持たせる


 いい声でいい合唱を歌いたいという意欲を持たせることは、表現力を育てる確実な近道です。

 それでは、どうしたら意欲を持たせられるか、次の十項目を挙げてみます。


 (1)適切な曲により満足感・充実感を経験させる

 (2)進歩の様子がわかるようにしてやり、ほめてやる

 (3)全体の中で自分が活かされているという実感を持たせる

 (4)実現しそうな目標をかかげてやる

 (5)教師の情熱・積極性を見せる

 (6)ほめてやって、少しずつ目標を高める

 (7)定期演奏会・小演奏会を企画させる

 (8)練習の最後はいつも感動的に終わる

 (9)ハーモニーの中で合唱のすばらしさを感じさせる

 (10)コンクールに参加する




 (つづく)

 
 

(864)小倉尚継 論述集 その35

 投稿者:事務局長  投稿日:2011年 3月 5日(土)19時44分33秒
   【自己表現を育てる合唱指導 その9】

  ◆その② 表現力を育てる

  ●アンサンブル練習の活用


 昭和60年4月号「アンサンブル」でも述べましたが、合唱団員が指揮者の指示にに必然性を持って従い、十分表現力を発揮するためには、知的共通理解を持っているべきです。

 たとえば、自分のパートは曲中の何を歌う役を持つのか、強弱、明暗、軽重、色合いはどうあるべきか、最大の聴かせ所はどこなのかなどです。

 それが身にしみてわかるのは、アンサンブル練習だと思うのです。

 ただ一方的に命ぜられるのではなく、自分の頭で考え、悩み、解決し、いつの間にか表現力を身につけることができる確実な道だと思うのです。

 美しい表現の要素もここで経験し、身につけるでしょう。

 より効果的であるためには、生徒達の勤勉な開拓心と、教師の勤勉で適切な助言が必要であることはいうまでもありません。


 (つづく)
 

(863)小倉尚継 論述集 その34

 投稿者:事務局長  投稿日:2011年 2月27日(日)00時19分38秒
   【自己表現を育てる合唱指導 その8】

 ◆その② 表現力を育てる

 ●美しい表現の要素

 (3)色つき発声

 「歌は小さなドラマである」とはよく言ったもので、ドラマを表現するために様々な声を使ってみましょう。

 白黒映画から天然色映画に変わった、あの時代の衝撃には及ばないにしても、声質の変化によって、合唱表現の幅は確実に広がります。

 演奏会やコンクール批評でも、しばしば似たようなことに出会いますが、自信に満ちたff、暖かく包み込むようなmf、吸い込まれそうになるp、泣いてしまいそうなppなど、その場面に応じた色を考えることはとても楽しく必要なことです。

 前述(「小倉尚継論述集その30・31」を参照)の「聖霊降臨の村祭り」や「あいや節幻想曲」では、この色の付いた発声を活用した演奏だったと思っています。


 (つづく)
 

(862)小倉尚継 論述集 その33

 投稿者:事務局長  投稿日:2011年 2月20日(日)00時39分29秒
編集済
   【自己表現を育てる合唱指導 その7】

 ◆その② 表現力を育てる


 ●美しい表現の要素
 (2)美しさの強調


 一曲の合唱曲の中に、必ず特に美しい部分があるはずです。

 強いところ静かなところ、和音の変わり目、リズム型の変わり目など、どこかにその部分を見つけ出しましょう。

 美しい部分は誰しも長く聴いていたいものです。

 逆効果でない限り、その部分を強調して聴かせましょう。

 実時間は長くできない場合でも、心理的に長く聴かせる工夫をしたいものです。どこがそのポイントか、生徒達はいち早くそれを発見してくれるでしょう。

  その発見は表現のすぐ隣にあるものです。




 (つづく)
 

(861)小倉尚継 論述集 その32

 投稿者:事務局長  投稿日:2011年 2月14日(月)03時55分1秒
編集済
   【自己表現を育てる合唱指導 その6】

 ◆その② 表現力を育てる


 ●美しい表現の要素
 (1)陽と陰


 音楽は、にぎやかなばかりでは美しくありません。
 静かなばかりでも満足できないでしょう。日常生活と同じで「動と静」、あるいは自然の地形と同じで「山と谷」、いうなれば「陽と陰」の入り混じったところに深い美しさ、合唱の命を感じ取ることができます。

 「陰影の濃い演奏」と言いかえることもできますが、単純な2部合唱でも斉唱でも、美しく表現できる大切な要素です。

 充実したフレーズ感とかブレスのつなぎにもかかわってきますが、高校生にとってもごく簡単に理解でき、育てることができます。


 (つづく)
 

(860)小倉尚継 論述集 その31

 投稿者:事務局長  投稿日:2011年 2月 6日(日)00時08分34秒
   【自己表現を育てる合唱指導 その5】


 ●作曲者の立場で


 昭和63年度NHK全国学校音楽コンクール全国大会で、またしても八戸市立根城中学校が金賞を獲得、自由曲は私の「あいや節幻想曲」でした。


 この曲は津軽民謡あいや節の持つ、もの凄いエネルギーの躍動感と郷愁を基調とし、暗く沈んだ出稼ぎ事故、それを振り払うネブタ囃子の爆発を織りまぜたものです。

 根城中の生徒達は、この曲を実に見事に歌い上げてくれたのでした。


 まっすぐで洗練された歌声と、野性的なかけ声との使い分けがすばらしいのです。美しさに凄みが加わった合唱と言ってもよいでしょう。

 こんな表現をしてくださる先生と生徒のみなさんに、脱帽し感謝しなければいけません。あの歌唱力は研ぎ澄まされた表現力と言ってもよいと思います。


 (つづく)
 

(859)小倉尚継 論述集 その30

 投稿者:事務局長  投稿日:2011年 1月30日(日)00時52分46秒
編集済
   【自己表現を育てる合唱指導 その4】


 ●指揮者の立場で


 昭和57年第35回全日本合唱コンクール全国大会が広島市でおこなわれました。

 青森西高校を指揮、初めて金賞をいただいた年(「小倉尚継 論述集 その3~11」参照)です。

 自由曲はコダーイ作曲「聖霊降臨の村祭り」でした。題の通り、祭りでにぎやかにはしゃぎまわる村人たちの様子を歌ったものです。

 日本の曲は音取りが難しいのですが、この曲は音は優しく、表現の仕方が難しい曲だと思います。強弱・テンポ・曲想の揺れがあり、非常に変化に富んだ曲でした。宗教性と民族的世俗性が同居する曲です。

 他の合唱団の真似事でなく、この76人の生徒と自分という集団でなければできない音楽、個性的な合唱を作り上げなければならないと、みんなで決めたのでした。

 マジャール語の意味は、聴衆にはわかってもらえないかもしれないので、音の美しさで内容を訴えよう。

 そのためには、

 (1)声に輝きを

 (2)ピッチ安定

 (3)レガートと鋭さの対比

 (4)進行感あるフレージング


 以上のことを全員共通理解し、練習はそのことに徹することにしたのです。目標がはっきりした練習は楽なもので、いろいろ工夫が生まれ、生徒の目つきが変わってきます。そこには相互の信頼感も生まれ、深まってきます。

 本番を歌い終えて気分爽快、生徒達の満足顔。


 この時の批評は「個性的で衝撃的なコダーイ」でした。



 (つづく)
 

(858)小倉尚継 論述集 その29

 投稿者:事務局長  投稿日:2011年 1月22日(土)23時53分49秒
   【自己表現を育てる合唱指導 その3】


 ◆その① 表現力を考える

 ●歌う立場で

 第22回全日本合唱コンクール全国大会は、昭和44年大阪フェスティバルホールでおこなわれました。

 この大会で青森県弘前メンネルコールが一般の部最優秀賞を受賞しました。

 私はこの時テノールの一員として歌っていましたが、全国大会も最優秀賞も初めてのことでした。新聞の批評には、「さわやかな新風」とほめられたものでした。

 自由曲は木原孝一作詞、清水脩作曲「黙示」でした。原爆を憤る内容で、地底から湧き出るようなバスの音に「人間の顔ではない」という囁きが幾重にも重なり、背筋が寒くなるような歌い出しです。

 「見ろ、暗黒の海と陸を貫くウラニュームの雲を」で怒りが高まり「人の子よ、自らの手では滅びるな」と警告して、間もなく歌い納めます。

 激しさから静けさまで、起伏に富んだ曲の特徴を十分表出したのでした。

 正に50人の男性の絶唱と言っていいでしょう。

 全国一の表現力を持つための練習を支えたもの、それは「歌が大好き」「指揮者信頼」の二つでした。

 隣の人のブレスをカバーしてやるとか、声が出るようになって表現の幅が広がったとか、陰影が濃くなったなどというのも、この二つがなければできるはずがありません。

 これは高校生も同じです。


 (つづく)
 

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